
1979年に高山の木童工房により生み出されたロデオスツール。
2018年11月30日に社長が亡くなり。
少し経ってから社長の奥さんより
『うちの製品をライセンス引き継いで作らないか。』
とお話しをいただき、ラインナップの中でも一番好きなロデオスツールのライセンスを譲り受ける事になりました。
1979年当時、ロデオスツールは職人が工房で作業する時に腰掛けるスツールとして使用されており、その後製品化されました。
現在、初期ロットのうち一脚は社長の御自宅でずっと愛用され続けています(動画冒頭のスツール)。
無骨で野暮ったい中にある凛とした佇まい。どこか鳥居の様にも見えるフォルムが特徴。
サイズは座面高55cm / 65cmのラインナップ。
引き継ぐにあたり、社長の想いを具現化し、より良い品質で流通させる事を心掛けました。ある程度完成された家具ですので変更点としては、社長の『手道具を盛り込んだ家具づくり』の信念を実現する『鉋仕上げ』のスツールとする事で、木材としての色艶を大切にし、手触りもずっと触れていたくなる質感になっています。
また、日本の打ち刃物を使用してモノづくりをして行く事で鍛冶屋さんへの刃物の発注ペースも増える事により、個人レベルですが少しでも良い循環となればと考えます。
以前『鍛治フェス』に伺った時、鉋鍛治の水野さんが『私の道具は無くなって欲しい』と仰っており、胸に込み上げてくるものがあった事を思い出します。
少し立ち止まって考えてみると不要なものが大量に溢れ、必要なものに目が行かず人知れず消えて行く時代に私たちモノづくりをしている人間がもっとより根本に目を向ける大切さをとても強く感じます。
少し話が逸れました。
まだ先の話ですがロデオスツールを使いとある企画展をやる予定です。おそらく3年以上先で場所も何もかも未定ですが、とても楽しく来場して下さる方々が各々に何かしらを感じとってもらえる様なそんな企画。楽しみです。